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丸山敬太の徒然なるままに vol.28

2023年12月27日

丸山敬太の徒然なるままに vol.28

Night Walker 

 

夜の街を彷徨うのが好き。。。
そんなふうにいうと、なんだか危ない奴のように聞こえるけれど、決してそんなことはない。
昔からの癖なのだ。
特に旅先では、みんなで食事に繰り出して、2軒目も行って、もうホテルに戻って眠るだけの深い時間になって、皆と別れて一度部屋に帰ってからも、ついつい街へ出る。知らない街をどんどん歩く。
知らないネオンも看板も、曲がり角も、酔っ払いの方言も、恋人達の揉める声も何もかもを感じながら、気が済むまで歩く。時には夜が白々と明けてしまい、自分のいる場所がわからなくなって、タクシーを拾う羽目になるときもある。
世界中何処へ行ってもそんな風に夜の街を歩くのが好き(勿論、治安は考慮するけど)
春も夏も秋も冬もそれなりに全部好き。
TOKYOにいても、そんな衝動は定期的にいつもやってくる。
歌舞伎町を彷徨うのが特に好き。

僕はこう見えて、全くお酒が弱いので、
1人で呑みに行くことなど殆どないのだけど、歌舞伎町のあの独特の空気が好きで、深夜にひとりでコーヒーを飲んだり、しゃぶしゃぶを食べたり、台湾料理のカウンターに座って餃子を食べたりする。色んな国の言葉が飛び交い、勿論、怪しい人種が蠢き、性の猥雑さも、犯罪の匂いも、イカサマも、悪もひしめいてはいるけど、、、でも沢山の人間模様と共に色んなドラマがあって、飽きることはない。

ただ、ただ、街の空気を吸いながら歩いているだけで、生きているって気持ちになれる。自分の中の生命力みたいなもの、疲れ果てていた何かが、鼓動しはじめるのだ。
なんだか変だよね(笑)

2023年も後少しであっというまに終わる。誰に聞いても、今年はあっという間だったって言うから、満更、歳のせいだけでもあるまい。今年がどんな年だったかなんて、情けないくらい何も急には思い出せないけれど、(これは歳)こうやって今元気に(疲れてはいるけれど)この原稿を書いているのだから、それなりに良い年だったのだろう。笑
来年はブランドをはじめて30周年を迎える。ワクワクした素敵な一年にしたい。
そしてまた、心が疲れたり、何かを失くしかけた時は、自然の中に身を置くのも素敵だけれど、僕は都会の夜の海の底を揺蕩いながら、自分を取り戻したいと思う。

ネオンの向こう側の星座を見上げながら。
今年もお世話になりました。
ありがとう。
良いお年をお迎えください。