TEXTILE NAME#5 薬玉柄
FEATURE COLLECTIOIN
1997-98 AW COLLECTIOIN
―美しい国 優しい人々―
THE STORY OF TEXTILE
ちょうどパリコレを始める前の年。パリに行くにあたり、日本人のルーツを盛り込んだ流れもあり、初めて着物など“和”の文化と向き合ってつくったコレクションです。山口小夜子さんにも出ていただいて、自分的にもエポック的なコレクションだったと思っています。 |
この時はプリントもたくさんつくっていて、全体的に着物の形状を意識したシーズンでしたね。乙女椿やしだれ桜柄なんかもありました。なかでも、この薬玉(くすだま)柄は、わかりやすく華やかで女の子らしい柄です。 |
もともと薬玉は、中国で無病息災や長寿などを願い、菖蒲などの薬草や香草を積めてつくられたもので、日本では端午の節句に飾られていました。そのイメージを描き起こしてもらっています。着物の柄だと、ヴィンテージの着物を元に復刻した柄もありますが、これはイチから描き起こしているので、ちょっと欧風というか、バターっぽいニュアンスもあるのが魅力。薄めのパープルとライトグレーの2色展開で、レーヨンのテロンとした落ち感のある生地にプリントしました。
このコレクションの後は、20周年で1回復刻してタフタのスカートをつくったくらいなので、薬玉柄のアイテムを持っている人は、かなり古くからのお客さんですね。
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