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丸山敬太の徒然なるままに vol.13

2022年09月30日

丸山敬太の徒然なるままに vol.13

金木犀の香り

 

気がついたら、夏の火照りを少し残してはいるものの、本当にあっという間に秋がやってきた。

道を歩いていると、何処からかともかく、甘い香りが漂ってくる。

 

足を止めて、胸いっぱいに深く吸い込む。大好きな香りだ。。。

 

「金木犀」 なぜか特別な、想い出や記憶がある訳でもないのに、決まって毎年、切ないような、ぎゅーーっと、胸が締め付けられるような、そんな気持ちになる。

 

ティーンエイジャーの恋を描いた、山田詠美さんの恋愛小説

「放課後の音符 キィーノート」

後にも先にも僕はこれ以上の恋愛小説は読んだことがない。

こんな大人になった今でも、切なさや、ほろ苦さや、ときめきを、感じた時にはつい読み返してしまう、心に効く短編集だと思う。その中に出てくる「Red Zone」という一遍に出てくる金木犀に纏わる話がとても素敵で、この香りを嗅ぐと、いつもそのシーンをまるで自分の恋の記憶かと思うくらい繰り返してしまう。

金もくせいの匂いがする
甘くて歯が痛くなりそう
秋には恋に落ちないってきめていたけど
もう、先に歯が痛い
金もくせいを食べたの
金もくせいも食べたの
だから、歯の痛みにはキス 

金木製

山田詠美さんのうつくしい言葉よ。。。

あらためて恋に歳は関係ないし、そんな気持ちにつねに憧れ続けられるようにありたいなと想う秋の夜。。。

 

でも、まあ、現実は食欲の秋ですけれど、、、とほほ。。。